生命保険は本当に必要?遺族年金や団信だけでは足りないの?
生命保険を考えるとき、多くの方が考えるのが、「世帯主である夫が亡くなった時の死亡保障」です。
もし働きざかりの一家の大黒柱を失ってしまったら、遺された家族は世帯主の収入が無い状態で
生活をしてゆかなくてはなりません。当然、家計に与えるダメージは大きなものになります。
特に小さな子どもがいる家庭であれば、教育費がこれからどんどん大きくなるので、より深刻な状態になるでしょう。
しかし、こういった死亡リスクに備える方法は生命保険だけではなく、次のような保障があります。
公的な年金制度の一つに遺族年金という制度があります。
遺族年金とは国民年金や厚生年金などの公的年金制度に加入している人が亡くなった場合、
残された家族に年金が支給される制度です。
家族構成や職業によっても金額が異なりますが、一般的に世帯主がサラリーマンで子どもが二人のような場合、
月額にして約15万円程度が支給されます。これにより、まずは最低限の生活費を確保できます。
ただし、この遺族年金はずっと同じ金額がもらえるわけではありません。
子どもが一定年齢を迎えるなど、状況によっては減額されたり、
支給が停止になることもありますので、その点には注意が必要です。
持ち家に住んでいて、住宅ローンを借りている方の場合には「団体信用生命保険」という保険があります。
ほとんどの住宅ローンでは「団体信用生命保険」への加入が義務付けられています。
団体信用生命保険は、ローンを組んでいる方が亡くなった時には、
その保険金で住宅ローンが相殺(全額返済)される仕組みになっています。
つまり、持ち家に住んでいて、住宅ローンを借りている方がなくなった場合には、
以後のローンを返済することなく持ち家を確保することができるのです。
一般的には、団体信用生命保険の保険料は金利に上乗せされる形で支払っています。
契約者としてはあまり保険料を支払っている感覚がないのですが、これも立派な生命保険なのです。
問題は、遺族年金でも、住宅ローンの相殺でも足りない部分をどう補うかです。これにもいくつかの解決方法があります。
(1)預貯金や資産運用をする
全てをまかなうことはできませんが、万一に備え預貯金や資産運用をしておくのも一つの方法です。
(2)遺された妻が働く
専業主婦であった場合、遺された妻が働くことで収入の減少を一部でもカバーすることができます。
(3)遺された妻の実家に帰る
賃貸住宅で暮らしていた場合は、世帯主が亡くなったからといって以後の家賃がタダになるということはありません。
環境さえ許せば妻の実家に帰るという選択肢もあります。
それができれば、当座の住居は無料もしくはかなり安い住居費で確保できるでしょう。
(4)その他
勤務先によっては死亡退職金や弔慰金がでるケースもありますので、これを生活費にプラスすることができます。
以上のように、生命保険以外にも万が一の際の経済的なリスクをカバーする方法がありますので、
全ての人に必ず生命保険が必要とは言い切れません。
ただし、多くの場合(特に子どもがいる親)においては公的保障などだけでは足りないこともありますので、
プロに相談して、どのくらい保障が必要かシュミレーションして、適切な保障を備えていくことが重要になります。
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