『金襴(絹織物)でつくる小箱づくり体験』:誉勘商店(こんかんしょう てん)
みなさま、こんにちは。
ATELIER JAPAN DAIMARU KYOTOでは、京都の伝統工芸の技にふれる大人向けのワークショップを毎月開催しています。
今回は『金襴(絹織物)でつくる小箱づくり体験』を紹介します。

絹地に金箔や金糸で華麗な文様を織りなす伝統織物、金襴。古より装束や袈裟を彩ってきたこの美しき布を用い、己がための小箱を仕立てるひとときをご提供いたします。
制作の舞台は、宝暦元(1751)年より室町の地に暖簾を掲げる老舗「誉勘商店」(こんかんしょう てん)。十三代にわたり、「わずかな布を買うお客様も、 たくさんの布を買うお客様も、どちらも心から大切にしよう」という真摯な心持ちで、伝統の技を守り継いでまいりました。
同店が誇るオリジナルの金襴を纏わせ、宝飾品や眼鏡など、大切な品々を納めるための小箱を 制作いただきます。生地は、事前に厳選された三種よりお選びいただけます。手仕事の温もりと 老舗の品格が織りなす、生涯の友となる小箱を、ご自身の掌で形にしてはいかがでしょうか。

「朱色 唐花」

「茶色 雲立涌」

「萌黄色 花喰い鳥(はなくい鳥)」
■会場:大丸京都店6階〈アトリエジャパン ダイマルキョウト〉
■日時:4月16日(木),18日(土)
各日
午前の部:10時30分~12時30分
午後の部:14時~16時
■参加定員:各回5名様
■参加費:税込8,580円
■応募方法:以下URLより先着順にて受付

作り手紹介
1. 成り立ち (The Origin)
京都・室町の風が、古い町家の虫籠窓を静かに通り抜ける。宝暦元年(1751年)に暖簾を掲げて 以来、270余年の歳月がこの空間には豊かな時間が積み重なっている。十三代目当主・松井幸生氏は、その格式ある伝統を大切に守りながら新たな歴史を刻んでいる。はるか昔から伝来した金襴の技。初代が本家との 競合を避け、あえて法衣や装束のための金襴という別の種類の織物へと道を定めたその決断 が、今の誉勘商店(こんかんしょう てん)の揺るぎない礎である。松井氏は、先人たちが残したこの土地の静謐な 気配と美学を受け継ぎ、次代へと続く光り輝く糸を、今も真っ直ぐに紡ぎ出している。

2. 繋げてきた技術 (The Technique)
金色の糸が深い陰翳の中に沈み、絹の艶が仄かな光を放つ。松井氏がこだわるのは、一切の妥協を排した「正絹(しょうけん)」の生きた輝きである。彼は問屋という枠を超え、一つの織物が生まれるまでの全行程を統括する。図案の構想から、微妙な色彩の響き合い、糸の選定、そして機(はた)の音に至るまで、すべての工程に彼の美意識が浸透している。数万本の経糸が織りなす極限の精密さの背後には、職人たちの技術を束ね、たった一つのあつらえへと昇華させる松井氏の鋭い眼差しが存在している。
3. 担い手 (The Artisan)
彼の胸の奥で静かに燃え続けるのは、京都に息づく「しょく あきない(職商い)」の精神だ。それは、ただ効率よく物を流通させることではない。魂を込めて作り、慈しむように手渡すという、ものづくりへの祈りにも似た姿勢である。初代から受け継ぐ「布(きれ)一寸とも我が旦那なり」という言葉を、松井氏は日々の営みの中で体現する。たとえ僅かな端切れを求める人であれ、その手に渡る金襴がもたらす喜びに変わりはない。最高品質を見極める目を養いながら、彼は今日も使い手の声に静かに耳を澄ませている。
4. これからの工芸の未来 (The Future)
伝統は、守り固めるものではなく、時代とともに静かに呼吸し続けるものである。松井氏は、袈裟や雛人形といった由緒ある装束の奥深さを護りながらも、現代の映像美を支える衣装や、日常に寄り添う品々へと絹織物の地平を広げている。京町家で開かれるワークショップは、金襴の確かな手触りを人々の記憶へと刻むささやかな儀式である。選び抜かれた素材と手仕事の結晶である「真の金襴」が、国境を越え、100年後の誰かの心をも震わせるように。彼の眼差しは、遥かな未来の景色を静かに見つめている。




